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2020年 東京オリンピック/東京パラリンピック エンブレムの問題について (5)

□□ サントリーオールフリーキャンペーン・トートバッグ騒動から、その後 □□

9月になりました。
しばらく静観してきたオリンピックパラリンピックエンブレムの問題ですが、
前記事(※<サントリー オールフリーの「夏は昼からトート」キャンペーンプレゼント>で30点中8点が取り下げになり、
他にも、盗用盗作の疑惑が発見されて来た頃)以降、東山動植物園(名古屋市)ロゴ、「おおたBITO 太田市美術館・図書館」(群馬県太田市)ロゴ他、続々と新しいネタ(?)が発掘され、正直に言って、「それは誤解」「指摘は疑問」だと思うものもたくさんあったのですが、ネット民の調査力がスゴイということは明らかで、騒ぎは沈静化どころか拡大の一途をたどっているようです。

と、ここまで書いて昼食の為、外へ出たところ、
「大会組織委員会が佐野氏デザインの使用中止の方針を固めた」との速報を食事先のテレビで見ました。
午後6時から、組織委員会の会見があるということなので、詳細は会見を待ちたいと思います。


□□ エンブレム 取り下げ決定 □□

ということで、既に大々的に報道されている通り、
佐野氏によるデザインの取り下げという、ここまでの流れのひとつの決着が見られました。

「もし、更に盗用が見つかるようであれば、「支えきれない」と判断し、
佐野氏からデザイン取り下げ申請→●JOC「残念ですが、佐野氏からデザインの取り下げがありました」
佐野氏「盗作は事実無根ですが、これ以上迷惑は掛けられないので取り下げました。」
というシナリオになると予想します。」

2020年 東京オリンピック/東京パラリンピック エンブレムの問題について (4) Date : 2015-08-17 (Mon)より

取り下げそのものは、上記で予想した通りとなりましたが、ひとつ予想と違ったのが、
ネットで一般の皆さんに発掘される前に、内部調査で発覚した結果→取り下げ
となると思っていたところですが、
逃げ切ろうとしたが、一般の調査で次々に明るみに出てしまったから。という
もっとも、みっともない結果になったところです。

切り捨てるなら外部から指摘される前に早々に切る。守るなら徹底的に守り抜く。
この、どちらもできず、「引っ張るだけ引っ張って結局取り下げ」という一番中途半端な結末となりました。
トートバッグ騒動直後がセカンドチャンスだったのに
組織委員会・エンブレム審査委員会の対応に問題があったと言わざるを得ません

最終的には、28日の「潔白会見」が、皮肉にも新たな矛盾を生む格好になりました。
新たな盗用疑惑などは、ネット民がすぐに暴き、衆目の元に晒されており、
あらためて説明の必要も無いと思いますが、私が感じた点を少々書きたいと思います。

【1】 オリンピックパラリンピック エンブレムの等価性

会見では、修正前のエンブレム原案が公表されました。

genan_20150902125903453.png

毎日新聞サイトより http://mainichi.jp/select/news/20150829k0000m040052000c.html

左側が、当初の応募デザインという説明。修正前というよりは、全く別物。

エンブレムのお披露目の時には、
審査では、「オリンピックパラリンピックの両エンブレムの等価性が審査基準のひとつとなった」という意味の説明があり、私も、『2020年 東京オリンピック/東京パラリンピック エンブレムの問題について (3)」で、

「最初に発表された時、私は率直に言って、「うまくできてるな」と思いました。
特にパラリンピックの方は、「P」に見え、オリンピックとの同等性が感じられました。』


と、書きました。色の変換だけで、両エンブレムが成立している点はデザインの評価に値すると感じたわけです。

ところが、潔白会見で公表されたオリンピック原案では、白黒の色変換だけではパラリンピックロゴはできないのです。
試しにやってみました。
パラリンピックエンブレム
(左)原案 /(右)白黒を反転した。
パラリンピックエンブレム
パーツをいじってみる。せめて●が上に来ないと、パラリンピックのエンブレムには見えません。

会見ではパラリンピックエンブレムの原案は公表されませんでしたので、予想がどれだけ近いかわかりませんが、
少なくとも、オリンピックエンブレム以上に原案と発表案の印象は違っていたはずです。
はっきりいって、修正というよりは別デザインですね。色変換だけで成立する等価性は、後付の説明だった訳です。
会見では「オリンピックとパラリンピックの2つのエンブレムが、独自性を持ちながら関連性を担保していること。」と説明されており、意味合いが随分違う印象です。

結果的に、「デザインコンペ」ではなく「デザイナーコンペ」になっており、
最終案への移行のプロセスは、
「委員のひとり、平野敬子さんは、真剣に検討し選んだものは、いちばん最初の原案であるので、ここについてはそのプロセスを経ていないということで、ご承諾いただけなかった」(槙英俊マーケティング局長)
と、平野委員だけが承諾しなかったことが説明されており、
逆に他の7名の委員は流れるがままで、「審査委員会」が機能していない状況が明らかです。

また、審査プロセスで、名前がわからない状況での審査と説明されていましたが、
佐野氏と審査委員の多くが近しい間柄であることを考えると、「形ばかり」という気はします。

【2】 人の作品を使った展開例はクローズドだったら許されるか?

「2位、3位の案も拝見いたしましたけれども、佐野さんの案は、特に会場装飾や関連グッズなどへの展開案が非常に素晴らしかったために、仮に次のステップの商標調査で修正を余儀なくされたとしても、1位案のデザイナーの方、つまり、佐野さん自身に案を修正していただくことでエンブレムの完成を目指す、ということが決定いたしました。」(永井審査委員長)
と、説明されたので、件の羽田空港や渋谷でのエンブレム展開例は、審査段階で大変高いポイントであったのは明らかになりました。(※佐野氏サイドはこういったプレゼンが大変上手な印象があります。)

デザイン・広告関係者にとっては周知の事ですが、
確かに内輪で確認したり使用例などで、街の景観写真などを使うことは、少なくないといえます。
TVCMの絵コンテコンペなどでも使う場合もあるでしょう。(昔は、全部描いていましたが。)

確かに、人の著作物でも自分が鑑賞したりする「私的利用」は可能です。
しかし、それを第三者に渡してしまっては、例えクローズド(=バレない)であっても「配布」に値します。
ましてやエンブレムの審査に提出したものとなれば、結果が公表されるという「公式」なもので、
会見での説明では、「内部資料として提出したもの」とされていましたが、
仮に一般に公表されないものだとしても佐野氏が行ったことは、完全にアウトなのです。

佐野氏は、取り下げ後のコメントで、
「(エンブレム)原案に関しても修正案に関しても(中略)模倣や盗作は断じてしていない」としていますが、
審査に大きな影響を及ぼした付帯資料で流用しているならば、何の説得力もありません。
しかもエンブレムの応募は佐野氏個人でしたもので、別のスタッフは一切関わっていない
と本人が言っている事実は、大変重いと思います。

佐野氏と氏の事務所の通常ワークでは、「流用」が日常的に行われていることは
もはや、疑いようが無いと言うほかはありません。


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